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毛穴の役割について

顔の毛穴は何のためにあるの?

クリニック(ドクターケイ共同開発者の医師亀山の青山ヒフ科クリニック)に来院される患者様で、多い悩みのひとつが“毛穴の開き”です。
毛穴がなければいいのに…そうつぶやく方もいらっしゃいます。
でも毛穴は皮膚にはなくてはならないものなのです。

角層は、進化の過程でできた!

皮膚の一番の役割はバリア機能です。外から細菌やウィルスなどの異物が体の中に侵入するのを防ぐ作用を持っています。
そして、水分の蒸発を防ぐのに大きな役割を果たしているのが、皮膚の一番外側にある角層です。
肌の表面から水分が蒸発するのを防ぐ作用を持っています。
肌の表面から蒸発する水分の量は、同じ面積のプールから蒸発する水分の量の1/20~1/30に抑えられています。
角層を持つことで、人間の先祖は海から陸上に生活拠点を移すことができたのです。

毛穴は、肌の水分量調節装置

しかし角層だけでは十分な保水機能を果たすことができません。
海水中と異なり、地上では環境の変化に対応して蒸発する水分量をこまめに調節することが必要になります。
角層は、厚さの変化により蒸発する水分量をこまめに調整することができません。そこで重要な役割を果たすのが毛穴です。

毛穴から皮脂を出し、皮脂膜を作ることでこまめに蒸発する水分量を調整することが可能になったのです。

昔の人々は毛皮を着て、猛吹雪の中でも食料を探さなくてはなりませんでした。体幹や手足は毛皮で覆うことは可能ですが、顔を毛皮で覆うと食料を探すことはできません。
そこで、体のほかの部位に比べていつも露出している顔だけは、皮脂腺の数も活動性も発達していったのでしょう。

一言で毛穴と言っても、部分によって違いがある

右の写真をご覧ください。

毛穴の開きで来院された患者様の頬の拡大写真です。
頬の毛穴は開き皮脂が溜まっています。皮脂が分解され炎症を起こしています。
顔のTゾーンも赤くなっています。いわゆる脂漏性皮膚炎です。
キメもなくなり、肌を触ると毛穴に一致してボコボコしています。

同じ人でも目の周りの毛穴は小さい!

前頁と同じ方の眼の周りの皮膚です。

毛穴は小さくキメも整い、触るとスベスベしています。

なぜ眼の周りの毛穴は小さいのでしょうか?
眼の周りの皮脂腺が頬や鼻の皮脂腺と同様に数が多く、活性も高くて皮脂の分泌が多いと、皮膚が厚く重くなり、瞬きするのも、眼球を動かす際にも邪魔になります。
特に瞬きは大作業になってしまいます。
眼の周りの皮膚は、瞬きしやすいように薄く軽く作る必要があったのでしょう。

ヒト以外の哺乳類も、眼の周りの皮膚は薄くなっているのだと考えます。
眼の周りは軽くて薄いので、脂漏性皮膚炎やニキビを起こしにくくなっています。
その代わり、保湿機能やバリア機能は低く、かぶれやすい、乾燥しやすいという性質があります。化粧品かぶれやアトピー性皮膚炎の方で、眼の周りが赤くなる、乾燥するのは、保湿機能やバリア機能が低下しているからです。

逆に、顔全体の皮脂腺の数や活動性が眼の周りと同じだと、ほとんどの皆さんが顔全体の乾燥肌、敏感肌になってしまうのです。顔は部位によって肌の性質が違います。部位別に顔のスキンケアをする必要があるのはこのためですね。

皮膚のバリア機能を上げるために毛穴は絶対必要

でも、寒さやストレスに、毛穴は過剰に反応してしまいます。
そこで、スキンケアの方針としては、皮膚のバリア機能を上げつつ、皮脂の分泌を抑えるということが重要です。